7月7日の七夕の日、第25回となる日本がんコンベンションに参加してきました。
そこで、寄生虫博士として有名な「藤田 紘一郎」先生の講演を聞きました。
免疫力の70%は腸内細菌、残りの30%は心と謂われますが、その腸内細菌について「 腸内フローラからみる最新予防医学」として講演されました。講演内容の一部は左の動画でもご覧いただけます。
病原菌が入ってきても、腸内細菌が追い出す
現代人の腸内細菌の数は約100兆個。しかし、戦前はその3倍あった。豊富な腸内細菌を持った戦前の人の腸内に、ノロウイルス、レジオナラ細菌などが入ってきても追い出していた。
食物繊維は腸内細菌の餌
食物繊維を分解して栄養素に代えるのが腸内細菌である。腸内細菌が十分に無いと、食物繊維を分解できない。
ビタミンB/Kは、腸内細菌しか合成出来ない。B2不足は肌あれ、ヘルペスになりやすくなる。
腸内細菌が、ホルモンや酵素の合成を行っている。
幸せホルモンと言われる、ドーパミン・セラトニンは腸内細菌が合成する。
腸内細菌が多いと、免疫力が高まり、アトピー・喘息にならない
花粉症の日本人第一号は、1963年に認定された日光市の男性である。
食物繊維は善玉菌の餌であり、摂取量が減ると免疫力が落ちる。
免疫が下がると、先ずアトピーになる。
Leaky Gut Syndrome(腸漏れ)
腸壁に穴が開いている人が増えている。
小麦粉にGlutenが多く含まれるようになった。そのグルテン過剰が腸漏れを起こす。
腸壁に穴が開くのを防ぐのは、短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)である。
食物繊維を善玉菌が食べて、短鎖脂肪酸を生成する。
食物繊維を摂取 + 善玉菌を優位にする => 短鎖脂肪酸が出来、腸壁をコーテイングしてくれる。
食品添加物、防腐剤が腸内細菌を減らす。
清潔すぎる社会、除菌社会の罪
腸内細菌の9割が、日常身の回りにいるものである。
動物は土を舐め、それらの菌が腸に住み着き腸内細菌となる。
パンダは生まれてすぐ土を舐め、そこに含まれる菌を腸に届け腸内細菌となり、その腸内細菌が笹を分解する。
牛も同様に、草を分解するのは腸内細菌である。
因って、除菌は赤ちゃんの菌との接触機会を減らし、体を弱くする。生まれて1年が重要で、菌に触れる機会を増やすしてあげる必要がある。
藤田先生の著書には「清潔はビョーキだ 」というものがあります。少々過激なタイトルですが、上記の話と現状を鑑みると、言い得て妙なタイトルだとも言えるのではないでしょうか。
赤峰勝人氏が、自著「ニンジンの奇跡」の中で、「雑草、害虫、ばい菌」などはこの世に存在しないと喝破。彼はそれらを「神草、神虫、神菌」と呼び、共存共栄をうたっています。科学の名の元に、一事が万事。一端を垣間見て、悪だ不要だとレッテルを貼り殲滅しようとする思考に違和感を持つのは私だけでしょうか?日本人のDNAには、「この世に不要なものは無し」という考えが刻み込まれていると思います。禅語、祝詞にも「天地同根万物一体」とあります。何事も一元論・無分別智、調和・バランスを念頭に置いた思考のOS(オペレーティングシステム)が万人に求められている氣がします。
迷ったら温故知新。歴史の風雪に耐えた金言格言、先祖の叡智、魂に刻みこまれた智慧に解決の糸口を見出すのも必要なのではないでしょうか?
頓首
p.s.
上記動画のインタビューアーである在米医療ジャーナリスト「中島」氏による「便移植」の話題が動画ブログにアップされていますので、此方もお時間のある時にご覧ください。
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